舞台は1950年代のイギリス。戦争の傷跡もあり、人々は貧しい中にも家族の絆を大事にし、日々生きている。
ヴェラは、家族、隣人をこよなく愛す、普通のおばさん。つつましやなかヴェラとは正反対の義弟の、贅沢嗜好な妻には、おせっかいで疎んじられてるけど、いつも人々の幸せを願っている。
そのヴェラには、秘密があった。それは誰にも言えない、だけどヴェラは、それが困ってる人を助けてあげるため、だと信じて。
ヴェラ役の女優さんはアカデミー賞でもノミネートされ、ヴェネチア国際映画祭では主演女優賞をもらったらしく、すっごい演技派。
だって、普通のおばさんそのものだし、苦悩する姿はその皺だけで表現できてるし、幸せなときは、まるで少女のような笑顔。
一瞬年齢不詳に見えた。
ヴェラが家政婦として通う家の令嬢が病院で中絶手術を行う。そのことと、ヴェラが行う行為。一体なにをいいたかったのか。
そのことで、よりヴェラの行為はモグリで違法なことなのだ、とても危険なことなのだ、と比較したかったのか。
この映画は、家族の絆の強さ、愛情を描いたものなのか、それとも崩壊を描いたものなのか、私には判断できなかった。
彼女の罪が明らかになった時、息子はあからさまにヴェラを拒否。
そんな中で、娘の婚約者が「こんな素敵なクリスマスは初めてだ」と、息子や義弟の妻がヴェラを受け入れられないあの状況で、言う。
なんと深い言葉なんだろう。
ラストの、残された家族、夫、息子、娘、その婚約者がリビングで無言のまま集うシーン。
これは、崩壊なのか、それとも再生なのか。私には分からない。
夫、娘はヴェラを信じてる。そして婚約者の言葉だけが、救いだ。
≪★★★★≫気軽に見れる映画じゃないけど、奥が深い上質な作品。
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婚約者の一言はほんとによかったです。あの状況でなかなか言えるものではないと思いますが、彼の今までを思えば説得力もありますし、言うタイミングも見事でしたね。
ラストは、違う見方もできるでしょうが、再生と思いたいですね。
息子は多少時間がかかるかもしれませんが、残りの3人はヴェラのことを信じていますし、道は前に続いていると思います。
やはり再生でいいんですよね。誰かにそう言ってもらいたかったんです。
ヴェラが刑務所で出会う受刑者たち、同じ罪で、彼女達と出会ったときのヴェラの表情がちょっと緩みましたよね。あれは、ヴェラの心の拠り所となるのか、またはヴェラはこの後また困った子たちを助ける道に進むのか・・・これまた微妙な取り方できますね。
そこまで思ったのは私だけかも。