2007年07月26日

【ヴェラ・ドレイク】

後からズ〜〜〜〜ンと胸に響いてくる作品だった。
舞台は1950年代のイギリス。戦争の傷跡もあり、人々は貧しい中にも家族の絆を大事にし、日々生きている。
ヴェラは、家族、隣人をこよなく愛す、普通のおばさん。つつましやなかヴェラとは正反対の義弟の、贅沢嗜好な妻には、おせっかいで疎んじられてるけど、いつも人々の幸せを願っている。
そのヴェラには、秘密があった。それは誰にも言えない、だけどヴェラは、それが困ってる人を助けてあげるため、だと信じて。

ヴェラ役の女優さんはアカデミー賞でもノミネートされ、ヴェネチア国際映画祭では主演女優賞をもらったらしく、すっごい演技派。
だって、普通のおばさんそのものだし、苦悩する姿はそのだけで表現できてるし、幸せなときは、まるで少女のような笑顔。
一瞬年齢不詳に見えた。

ヴェラが家政婦として通う家の令嬢が病院で中絶手術を行う。そのことと、ヴェラが行う行為。一体なにをいいたかったのか。
そのことで、よりヴェラの行為はモグリで違法なことなのだ、とても危険なことなのだ、と比較したかったのか。

この映画は、家族の絆の強さ、愛情を描いたものなのか、それとも崩壊を描いたものなのか、私には判断できなかった。
彼女の罪が明らかになった時、息子はあからさまにヴェラを拒否。

そんな中で、娘の婚約者が「こんな素敵なクリスマスは初めてだ」と、息子や義弟の妻がヴェラを受け入れられないあの状況で、言う。
なんと深い言葉なんだろう。
ラストの、残された家族、夫、息子、娘、その婚約者がリビングで無言のまま集うシーン。
これは、崩壊なのか、それとも再生なのか。私には分からない。

夫、娘はヴェラを信じてる。そして婚約者の言葉だけが、救いだ。

≪★★★★≫気軽に見れる映画じゃないけど、奥が深い上質な作品。




posted by じゃじゃまま at 14:12| Comment(2) | TrackBack(1) | 映画 は行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして、TB&コメントありがとうございました。

婚約者の一言はほんとによかったです。あの状況でなかなか言えるものではないと思いますが、彼の今までを思えば説得力もありますし、言うタイミングも見事でしたね。

ラストは、違う見方もできるでしょうが、再生と思いたいですね。
息子は多少時間がかかるかもしれませんが、残りの3人はヴェラのことを信じていますし、道は前に続いていると思います。
Posted by micchii at 2007年07月26日 15:19
micchiiさんへ
やはり再生でいいんですよね。誰かにそう言ってもらいたかったんです。
ヴェラが刑務所で出会う受刑者たち、同じ罪で、彼女達と出会ったときのヴェラの表情がちょっと緩みましたよね。あれは、ヴェラの心の拠り所となるのか、またはヴェラはこの後また困った子たちを助ける道に進むのか・・・これまた微妙な取り方できますね。

そこまで思ったのは私だけかも。
Posted by じゃじゃまま at 2007年07月27日 08:38
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