2015年03月26日

【くちびるに歌を】

《★★★★》

長崎県にある小さな島の中学の合唱部。音楽教師ハルコが産休に入るため、ハルコの同級生で母校出身の有名ピアニストの柏木ユリが臨時でやって来た。
浮き立つ生徒たちとは反対に、まるでやる気がなく、生徒たちの期待に反してピアノは弾かない、指導もしない、ただ見てるだけ。
そんなユリに反発する部長のナヅナ。
ユリ目当てで男子生徒の入部が増え、県大会に向けて頑張らなければならない時期に、合唱部は揺れる。

子供と大人の境にいる中学生たちが、友達、家族、自分の存在に悩みながらも、励まし合い認め合って、ほんの数カ月の出来事だけど、その数ヶ月間で経験する小さな思い出の数々。

15年後、彼らは、その数ヶ月間に起きた小さな出来事を覚えているだろうか。

でも結構冒頭から泣いてしまった。

ユリ自身も心に傷を追って故郷に戻ってきた。まるでやる気のない臨時教員。そんなユリが、自閉症の兄を持ち、自分の存在価値を兄のため、と位置付けする桑原や、幼くして母親を死別し、父親に捨てられたナヅナが、小さな心と体で懸命に受け止め、必死で前進していく姿を見て、いつしか自分も前へ進もうと思い始める。
中学生たちの、その悩みいっぱいって感じがね、泣けるわけなんだ。

子供でも大人でも、悩みは同じで、心に受ける衝撃は大人も子供も関係ない。
っていうか、ナヅナが父親に捨てられた、って言うとこなんて、大人なら自分を守るためにも自分自身をごまかしたりするんだろうけど、子供はストレートにその事実を受け止めちゃうんだよね。
それを15歳の女の子が、その小さなハートでどんな風に受け止めたんだろうって思うと、可哀相で泣けてくる。

自閉症の兄がいたから僕は生まれた、なんて言う15歳の少年。
親は自分たちが死んだあと、兄の面倒を見てくれる人が欲しくて僕を産んだんだ、なんて考える15歳の少年。
それがある意味事実だとしても、15歳でそうと察する桑原君が可哀相でならなかった。
そうじゃないよ、君は君でいいんだよ、そのままの君が両親は欲しかったんだよ、って、桑原君のお父さんお母さんがどんなつもりで産んだのかは分からないけど、でも、そう言ってあげたかった。
せめてそう思うように桑原君には接してあげて欲しかった。

合唱コンクールに家族で来てくれてよかった。

そしてここでお兄ちゃんが大活躍してくれるんだ。

家族が誰も応援に来なかったナヅナ。分かってはいてもやっぱり悲しいよね。
泣きそうになるナヅナに、お兄ちゃんが言うある言葉。それは亡き母がナヅナに言ってくれた言葉だった。

「ナヅナ、泣かんとよ。前進、前進」

かつて母が言ってくれた時、そのピアノの後ろで聞いていたんだよね。
ナヅナに、桑原君に、自閉症のお兄ちゃん。
この三人には泣かされた。彼らが明るい未来を歩くといい、って主題歌もよかったよね!

posted by じゃじゃまま at 17:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 か行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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