2013年08月29日

【マリーゴールド・ホテルで会いましょう】

《★★★★》

それぞれの人生を、それぞれの想いでやり直したい、見つめ直したい7人が、広告の謳い文句に惹かれインドのリゾートホテルにやって来た。ところが、そこは広告とはまったく違う、まだ改装中のオンボロホテルだった。環境も習慣も違う地で刺激を受けながら、それでもなにかを見つけまた新たに歩き出す、大人のための良質な映画。

亡き夫の負債のために家を売り、インドのリゾートホテルにやって来たイヴリン。
40年間夫に従い、心をさらけ出さなかったことを後悔している。インドで初めて仕事をし、女性の中では一番早くインドに馴染んでいったイヴリン。

人種差別が激しく、入院先の病院で暴言を吐き、インドの病院へ送られたミュリエル。
黒人の病院スタッフを「洗っても落ちない」と侮辱し、英国人医師にこだわるミュリエルに、看護師はインド系英国人医師をあてる。
その医師により、インドの病院に送られることになったんだけど、どんだけ偉い人なのかと思ったら、実はメイドだったことが分かる。
部屋に運ばれる食事に一切手を付けないミュリエルに、メイドのインド人少女が、彼女の好きなピクルスの瓶をテーブルに乗せる。その光景を見たミュリエルは、かつて自分のメイド時代を見たのか、存在を認めるようになる。少女は貧しい身分でかつては存在さえ認めてもらえない階級だったので、ミュリエルのその態度に心から喜び、その歓びは逆にミュリエル自身にも返ってくることになる。
人種差別ばかりしていたミュリエルが、インドに馴染み、受け入れていく様は気持ちよかった。

かつてこの地で育ち、ある目的のために退官して戻って来たトム。
彼には忘れられない人がいて、昔傷つけ助け出せなかったことを悔やみ、もう一度会いたくてやって来たのだ。
その人に会いたい一心で、探し出し、ようやく会えた時、彼の使命は終わり、持病の心臓病で死んでしまう。
愛する人の手で見送られ、思い出の地で死ねたトム。

このホテルで出会った仲間たちに見送られ、でも切ない人生だったな。

娘の事業に退職金を貸し、無一文になってしまったダグラスとジーン夫妻。
いつも夫を罵り、不平不満ばかりのジーン。インドに来ても文句ばかりで部屋に引きこもり、一切インドの魅力を知ろうともしない。とにかくいいところを見ようとするよりも、文句を言うことで心に安定をはかっているのか。そのくせトムに恋心を寄せ、じっと彼の動向を窺い、トムがゲイだと知ってますますインドが嫌いになったかもね。
無神経な妻に我慢しながらも、ダグラスはインドを歩き回り、刺激を、魅力を十分に体感しようとしていた。
そんな彼が前向きに歩き出したイヴリンに心惹かれていくのは自然なことか。

トムが死に、見送った後、心弱くなったイヴリンを慰めていると嫉妬に燃えたジーンが意地悪く攻撃してくる。そんな妻の姿にダグラスはとうとうキレる。
娘が送金してくれたことにより、夫妻は英国に帰国することになるのだが・・・。

とっくに夫婦仲は終わっている。そのことをついに認めたジーンの出した結論は・・・。

女好きのロナルドと、もうひと花咲かせようと出会いを求めてやってきた未亡人のセリア。
二人とも孤独で寂しがり屋なんだよね、だったらこの二人が・・・なんて安易にはならない。
ロナルドの出会いを応援してあげるセリア。うまくいけばいったで寂しいような。

そしてこのオンボロホテルを父から受け継ぎ、夢を果たしたい青年、ソニー。
身分差別の激しいこの国で、決して許されない恋をしている。母親に、ホテルも恋も反対されながらも、イヴリンに背中を押され、閉鎖の危機もミュリエルに救ってもらって、これから【マリーゴールド・ホテル】はみんなで立て直していくんだよね。

もうきっと今まで生きてきた時間よりも、残された時間の方が短い彼ら。成功も失敗も後悔もいろんなこと経験済みで、そんな彼らが、まだまだできるんだぞ、人生終わるの待ってるだけじゃないぞ、と生きていく姿は力強い。
あれこれチャレンジするだけじゃなくて、まったく違う環境、習慣の中で、自分からそこに身を任せていくのも、実はすごい行動力で、大人の判断だな〜と思う。
こんな余生を過ごせたら、って。

どちらかというと、私ってジーンみたいなタイプかな。順応できなくて文句ばかり・・・気をつけようっと。


posted by じゃじゃまま at 13:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 ま行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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