2014年08月21日

【ツナグ】

《★★★★☆》

大号泣だった。
死者と生きる者を繋ぐ役割を持つ、ツナグ。
死んだ母親に会いたい、失踪した婚約者に会いたい、死んでしまった親友に会いたい、理由や会いたい人はそれぞれだけど、たった一度だけ、会えるという決まり。

それも夜の間だけ。朝日が昇ったら消えてしまう、限りある時間。

祖母からその役割を引き継ごうと、今はまだ見習い中の高校生、歩。
両親は歩が幼い頃、死んでしまった。口さがない親戚たちは、「夫の浮気を疑い激昂した妻を、逆に殺して自殺した」と話し、歩は傷つきながら成長する。
死んでしまった人に会いたいっていうのは、生きてる者のエゴなんじゃないか、と思いつつもツナグの意味もまだ見いだせない依頼者と会う。

ある時、高校の同級生が交通事故で死に、親友であった嵐美佐から依頼が入る。
お互い戸惑いながらも、事故で死んだ御園奈津を呼び出し、嵐美佐と会わせる。美佐は奈津と会った後、激しく動揺し、慟哭しながら崩れ落ちる。
その姿を見て、歩もまた、果たして自分のしていることは意味があるのだろうか、と考える。

失踪してしまった婚約者に会いたいと土谷から依頼があり、もし、相手がツナグからの呼び掛けに応じれば、それは婚約者がこの世にいないことを意味する。そして、土谷の恐れていたツナグからの連絡。「会うそうです」。これは、この世に、もうキラリがいないということ。
その事実が受け入れられない土谷は、面会の日、約束の場所に行けない。
歩は、美佐から「奈津に会ったことは後悔してない」と聞き、生きる者が死者に会うことには意味がある、絶対に会うべきなんだ、と確信を持って、土谷を探す。

もうどれもこれもが涙涙の連続。

美佐は、親友の奈津と劇のヒロインの座をめぐり、争い、敗れ、恨んだ挙句、奈津がいなくなればいいと願いながら、奈津の通る道に水を流す。このまま凍って、滑って転べばいい、と。
翌日、奈津は交通事故で死んでしまった。もし、誰かがツナグを通して奈津に会ってしまったら、もし、奈津が自分のしたことを知っていて、それを誰かに話してしまったら、そう思った美佐は、たった一度しかないチャンスを自分が奪ってしまえばいい、とツナグに奈津に会いたい、と言ったのだ。

再会した二人は、怖い。笑顔だし、泣いてるんだけど、お互い、大事なことは言いだせない。
美佐は、奈津に自分の企みに気付いていたか聞けない。奈津は、美佐に言いだして欲しいけど、自分からは言えない。
この二人の件が一番泣けた。
そして、美佐の勝負。歩に預けた伝言。「道は凍ってなかったよ」
もしも、美佐がまた奈津を裏切ったら、美佐は真実を知らないままこの先生きていける。
でも、美佐は今度こそ裏切らなかった。ゆえに、深い後悔を刻んだまま生きていくことになる。
「道は凍ってなかったよ」この一言で、美佐は、自分の悪事が奈津にばれていたことを知り、でもそれを言わなかった奈津の気持ちも悟り、深い後悔と罪の意識とを背負う。
だけど、美佐はツナグで奈津に会ったことを後悔はしていないと言う。

橋本愛は、すっごいね。「あまちゃん」のときに、注目したけど、よくよく思い出すと、その前にも【桐島〜】やら堤眞一との映画、きりがないくらいいろんなのに出てるんだよね。
演技がうまい下手は、よく分からないけど、このエピソードがよかったよね。
親友を死なせてしまい、(実際にはそれが原因ではないけど、分からないね)それが相手にばれてて、自分はなんてひどいことをしたんだろう、ツナグの機会も奪い、だからこそ、歩に「行ってあげて〜!!!!」と泣き叫ぶシーンは、ああ、やっとこの子も人並みの優しさを持ったんだなって。

奈津役の大野いとも、これはよかった。
親友に二度も裏切られて。美佐が、歩に話した言葉を聞いて、ああ、私はまた美佐に裏切られた、って死んでからも傷つく奈津。それなのに、美佐には恨みごと言わずに、でも心の中ではたくさん叫んでたんだろうな。
二人が別れるシーンでは、互いに泣きながら「ごめんね」「なに?美佐?」「ごめんね」「なに、美佐?」って、ああ、多分気付いてるんだろうな、って思いながらも、私たちは、その後で奈津からの伝言のシーンを見るからね、切なさ倍増。

土谷とキラリのエピソードも泣けたし。家出してたキラリは、土谷のプロポーズを受けて、まず実家に戻って謝ろう、とした矢先にフェリー事故で死んでしまった。
偽名だったから、土谷は事故にも気付かず、七年待ち続けた。キラリからあるモノを「実家に届けて欲しい」って言われ、土谷がキラリの実家を訪ねるシーンも、そこだけだけど、なんか救われるよね。
家出したままになっていた娘が、生前、幸せな暮らしをしていたんだ、って母親が分かるシーンだもんね。

そして、歩が祖母から両親の死の真相を聞かされる日。父親は実はツナグであって、祖母から口止めされていたため、母親に言えず、それを浮気と誤解されて・・・だから母親は鏡を見てしまったために二人は死んでしまった、自分のせいだ!と後悔している祖母。
そんな祖母に、歩は「父さんは、きっと母さんに全部話してたと思うよ。母さんは、自分と結婚したせいでおじいちゃんに勘当されてしまった父さんのために、おじいちゃんと会わせてあげようと思って鏡を覗いたんじゃないかな」と。

それが真相のように思える。その優しさに泣く祖母。これがまた樹木希林だから、ますますいいんだよね。
最高のおばあちゃん役。
きっとね、おじさんも、おばあちゃんも、みんな歩がいつか両親に会う日のために、誰も歩の両親にツナグで会わなかったんじゃないかな。歩がきっと両親に会って、本当のことを聞きたいだろうと。

でも、歩は両親には会わない、と言う。もし僕が会うとしたら、それはおばあちゃんだよ、って。

優しさに溢れた映画だった。

posted by じゃじゃまま at 11:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 た行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【GODZILLA ゴジラ】

《★★★》

迫力満点だった。
そうか、そうか、ゴジラって昔から地球にいて、ずっと海の中で眠っていたのか。
私はいわゆるパニック映画が好きで、日本版ゴジラも、かつてハリウッドでリメイクされ、今は話題にものぼってないゴジラも、観てる。
かつてのハリウッドのは、なんだかゴジラがスリムで、なんじゃこれ?って思った記憶があるし、確か、あんなのゴジラに対する冒涜だ!みたいに言われたんじゃなかったっけ?
だから、今はもうなかったことにされてる扱い?

今度の【GODZILLA】は、ゴジラだった!しかも、ゴジラって悪者じゃないんだよね〜。
原発事故を起こした新たな怪獣「ムートー」。ゴジラは昔から地球上にいて、核実験で巨大化して、どうやら体内に原子炉を持ってるという設定なんだね。
で、新たな怪獣、ムートーは放射線をエネルギーとして、原発のあるとこで成長してて、それが目覚めて大暴れ、みたいな展開。

ここに、ハリウッドらしい家族愛、夫婦愛、なんじゃらかんじゃらが混じって、まあ、どうでもいいんだけど、ゴジラの吠える声は、ああ、ゴジラだ〜!!って。
闘うシーンは迫力満点だった。

で、ゴジラはムートーを倒して、また海に戻っていく、ってことで。
寝ちゃったけどね〜。
posted by じゃじゃまま at 10:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 か行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月03日

【マレフィセント】

《★★★》

「眠りの森の美女」の悪の妖精の視点から描いた物語。

なぜ、マレフィセントは悪い妖精になったのか、なぜ、呪いをかけたのか。

その答えのために描かれた、マレフィセントのための映画。
今まで知っていた「眠りの森の美女」のお話とはまるで異なった設定。

王女の父は、すごく嫌な奴で、マレフィセントとその昔淡い恋に落ちていたのに、自分の野望のために裏切り、その結果、マレフィセントの怒りを買い、オーロラ姫に呪いをかけたってわけで。
この流れに自然に感情移入できるように、オーロラ姫の父、ステファンはことごとく嫌な奴に描かれている。

そして主人公はマレフィセントのなんだけど、結局はアンジェリーナ・ジョリーのための映画と思わざるを得ないっていうか、アンジーをそこまで悪役にできないっていうか、悪い妖精にならざるを得なかった理由を観客に示しつつ、呪いをかけたオーロラに深い愛情を注ぐところもちゃんと描いている。

ちょっと役立たずのいい妖精たちが、子育てに悪戦苦闘している様子を、見守り(監視?)つつ、窓からそっとオーロラを見つめるマレフィセント。
「醜い子」と呟きながらも、その眼差しは、いとおしさが溢れてる。

そして、心優しく美しく成長したオーロラを、やがて深く愛するようになり、自分でかけた呪いを解こうとするも、解くことができず、後悔する姿は痛々しいけど、マレフィセントにそんな心があったこと安堵する。

マレフィセントを裏切ったステファン王との闘い。
オーロラ姫の呪いを解くのは、白馬の王子様のキスではなく、真実の愛、マレフィセントの深い深い愛だった、っていう新しい視点。

悪役はステファン王であって、オーロラは、ステファン王敗れた後、マレフィセントと共に共存の道を選び、あんまり役に立たなかったけど、白馬の王子様と結ばれる、めでたしめでたし。

アンジェリーナ・ジョリーの映画でした。

posted by じゃじゃまま at 14:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 ま行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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